医療事務の入院担当とはどんな仕事?【経験談も】大変なこと、仕事内容が知りたい!

この記事でわかること

  • 医療事務の入院担当の仕事内容
  • 医療事務の入院担当のデメリット
  • 医療事務の入院担当のメリット
  • 医療事務入院担当をしてきて思うこと

医療事務といえば外来で受付をして会計してというイメージだと思いますが、入院施設のある病院には入院担当の医療事務がいます。

外来をやっている人からすると入院担当は大変な仕事じゃない?とよく思われるのですが、慣れたら入院担当は大変じゃありません。

では、具体的にどんな仕事をしているのでしょうか?

もちろん病院の規模や診療科によって違ってくると思いますが、入院担当の仕事や大変なことやおすすめなこともお伝えしていきます。

医療事務の入院担当は人間関係が良ければかなりおススメ。将来的にも続けやすいよ!

目次

医療事務の入院担当の仕事内容

まずは仕事内容から説明していきます。

簡単に言うと入院している患者さんの請求書やレセプトの作成の仕事です。

個人病院など小さな規模の病院だと、病棟クラークを兼任することもあります。

わたしは病棟クラーク兼任でやっていたことの方が多かったです。

詳しい仕事の流れはこちらでわかります>>病棟クラークとは?入院会計の医療事務兼任の1日の流れを公開

STEP
当日退院会計作成

朝の10時前後に退院は集中する

STEP
入院中の患者さんのカルテを確認

何日分かまとめてやることも多い

STEP
翌日退院の患者さんの会計準備

退院が多いと処理が大変

基本的にはこんな流れですが、もちろんそれ以外にたくさん仕事はあります。

  • 保険証の確認(限度額適用認定証も)
  • 入院費の未払いの催促
  • DPCデータの入力
  • レセプトチェック
  • 手術コストの入力
  • 入院中患者の定期請求書の発行
  • 入院費概算の作成 など

保険証の確認(限度額適用認定証も)》

入院中の患者さんも月に1度保険証の確認をしています。

入院中の治療費は高額になるため限度額適用認定証の提出される患者さんは多いです。

高額療養費制度は後日払い戻しする制度もあるため、その辺りの知識は勉強必須です。

《入院費の未払いの催促》

入院中の支払いは2週間以内、次回の請求書配布までになど病院ごとに決まっているルールがありますが、その期限を過ぎても支払いがない場合は催促しています。

本人や家族に連絡していつまでに払ってもらえるか確認しています。

最初の頃は催促するのは苦手で嫌でしたが、長くやっていると慣れてきます。

病院や地域によって違いはあると思いますが、わたしがいた病院ではほとんどの患者さんが催促したらすぐに支払いに来てくれました。

あと、死亡退院された患者さんは退院後1週間くらいして支払いをお願いする電話をしていました。

《DPCデータの入力》

入院では入院基本料を算定していますが、その加算でデータ提出加算というのがあります。

そのデータ提出加算を算定するために、DPCデータを患者さんごとに入力しています。

入院担当しているわたしでもよく分かっていないので、全部を理解する必要はないし、理解しなくても入力することさえ分かればなんとかなります。(他の入院担当の方はもちろん勉強されていると思うのでいち意見として参考にして下さい)

どの医事コン(レセコン)にも入力する所があるので、それに沿って入力していけはOKです。

詳しく説明しようと思うと長くなりそうなので気になる方は【DPCデータとは?】活用術・分析方法やレセプトデータとの違いなどを解説 | MDV EBM情報局

こちらを参考にして下さい。

《レセプトチェック》

わたしがいた病院では退院した患者さんのレセプトを手が空いた時に出して確認していました。

病名の確認、治療内容の確認、レセプトチェックソフトでのエラーの修正、コメント入力などをしています。

《手術コストの入力》

手術は術式や使用した材料や薬剤など、確認することが多いのと点数も高額になるので手術翌日以降に早めにコストの確認をすることが多いです。

術式や使用した薬剤、材料がわからない時は先生やオペ室の看護師さんに確認することもあります。

《入院中患者の定期請求書の発行》

レセプトを10日に送信した後、入院中の患者さんの請求書を発行します。

治療費に加え食事代やその他、診断書料、おむつや日用品などまとめて請求します。

限度額適用認定証などが入力されていないと、会計の金額がかなり変わってくるのでレセプトを送付する前に確認だけしておいて発行は10日以降という所もあります。

部屋に直接配る所もあれば、入院時に案内しておいて10日以降にレジに直接支払いに来てもらうなど、病院によってシステムは様々です。

《入院費概算の作成》

入院費は高額になることが多いので、退院する前に大体入院費がいくらか知りたい患者さんはたくさんいます。

聞かれたら入院費の概算を作成して患者さんにお伝えしています。

入院担当の仕事の進め方

仕事内容は病院によって違いはあると思いますが、わたしが経験してきた入院担当の仕事の進め方をお伝えします。

  • 病棟ごとに担当が分かれている
  • 一人で担当するのは40床~60床ほど
  • 請求書作成、レセプト作成が仕事のメイン
  • 労災や事故は病棟担当者が入力することが多い

外来は受付、会計、レジなど担当が分かれて仕事をすることが多いと思いますが、入院は病棟ごとに担当が決まっています。

病院によっては同じ病棟を複数人で受け持つこともあります。

医療事務の入院担当のデメリット

入院担当をメインで仕事してきたわたしが思うデメリットとをお伝えしていきます。

入院担当は人数が少ない

外来に比べると入院担当している医療事務は人数が少ないので、一人が休んだときの負担が大きくなります。

もし担当制だった場合、担当の人が休むとその病棟の会計のことが分からなくなるなどとリスクがあります。

人が辞める時も大変で、経験者が少ないのですぐに即戦力になる人の応募は少ないです。

入院担当は幅広い知識が必要

入院していると、患者さんが飲んでいる薬が処方されます。ケガで入院してきた患者さんでも糖尿病や高血圧の薬を飲んでいるということはよくあります。

薬に必要な病名を知っておく必要があったり、入院中は皮膚トラブルが多いのでその知識も必要です。

外来では必要なかった、入院する病気以外のことも勉強する必要があります。

他には入院基本料など、算定に関する知識が必要になってきます。

医療事務の入院担当のメリット

医療事務の入院担当のメリットももちろんありますので紹介していきます。

仕事の終わる時間が早い

外来やクリニックだと診療時間が終わるまで帰れないことが多いです。

会計は診察の一番最後なので最後まで残らなければなりません。

一方入院担当の場合は、入院している患者さんの会計なので、遅くまで残る必要はありません。

退院は午前中の10時頃の方が多いのでそれに合わせて請求書を作ります。

退院直前まで治療があったり、当日退院の薬が出ることもあるので退院日に会計を作る病院が多いと思います。

入院事務の必ず必要な仕事というのが午前中に集中しているので定時になったら帰れます。(もちろん病院によりますが、わたしが経験した3つの病院のうち2つは定時で帰っていました。)

レセプト期間中(毎月1日~10日)は2日くらい残業することがあってもほぼ定時に帰ることが出来ていました。

医療知識が多くなる

デメリットでは幅広い知識が必要なので勉強しないといけないと言いましたが、覚えてしまえばメリットになります。

入院する患者さんは、外来通院する患者さんよりも症状が重いので、必然的に医療行為も内容が濃いものになります。

つまり治療に関しては外来担当よりも知識が多くなる ということです。

例えば手術です。日帰りでできるような手術を除いてはクリニックなど外来だけの病院では、全身麻酔を使っての手術はないです。

酸素を使うなら酸素飽和度(サチュレーションやSPO2と呼びます)をやってるはずなのにカルテに記載がないから

記載漏れじゃないか?など治療の流れを把握することも大切な仕事です。

入院の会計を作っていると毎日の治療の状況をカルテで確認するので治療の流れというのが良く分かります。

外来の会計よりも内容が濃いため、医療事務としてもどんな治療なのがわからないと会計が作れません。

看護師さんや医師に聞いて勉強することも多くなります。

先輩に入院の医療事務を経験すればどんな病院でも働けるよ!と言われたことがありましたが確かにその通りかもしれません。

仕事に困らない

入院事務の経験者は少ないため、もし転職しようと思った時に入院事務の募集があれば採用される確率は高くなります。

わたしも3年のブランク(別業種から)があった後医療事務の仕事に戻りましたが、面接は一発合格しました。

入院の事務は外来よりも経験者を募集することが多いです。外来よりも少ない人数で仕事をしていることが多いので即戦力を求めることが多いのです。

入院担当ではなく、外来の医療事務に就職しようと思った時も入院の会計をしていたというのは大きな武器になるはずです。

わたしは3つの病院を辞めていますが、退職後そのうち2つの病院から再就職のお話しがありました。

それくらい医療事務の入院担当は人手不足なのです。

育児をしながらでも続けやすい

わたしは今育児をしながら入院担当のパートをしていますが、外来に比べると時間の融通が利きやすいです。

マイペースで仕事ができるので子どもの体調不良で1日や2日休むくらいならそこまで仕事に支障はありません。

人数が少ないことが多いので同僚に迷惑をかけてしまうことはもちろんありますが、その日に絶対にこなすべき仕事が少ないので同僚への負担も最低限で済みます。

医療事務入院担当をしてきて思うこと

医療事務の入院担当はレセプトの枚数が多かったり、算定が難しかったり、もちろんデメリットと思うこともあります。

病棟の看護師さんが怖いことも!(忙しいしプレッシャーもすごい仕事なので仕方ないですが)

それでもわたしは医療事務の仕事を続けてきて、医療事務の入院担当で良かったなと思えます。

特に思うのは出産後復帰して仕事再開した時です。子育てをしていると遅い時間まで働くのはどうしても難しいです。

子育て中の方はよく言われるのですが、病院を出た瞬間から寝る時間までは子ども優先で仕事より帰宅後の方が忙しいくらいです。

外来は18時までの受付だったとしても、そこから診察して会計まで1時間近くかかることもあります。

それと比べるとマイペースでできる入院担当という選択をしていたことで、時短勤務もそれほど周りに迷惑かけない範囲で出来ているのではないかと思います。

わたしはかなり医療事務の入院担当おすすめです。

募集が少ないのと経験者が優遇されるので狭き門ですが、これから医療事務をやってみたい方や、入院担当ができるチャンスがある方はぜひチャレンジして欲しいです!!

こちらもおすすめ>>病棟クラークとはどんな仕事?給料は?医療事務との違いとは?

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この記事を書いた人

医療事務歴13年、1歳、4歳のママで現役医療事務。(時短勤務)
医療事務歴 正社員→派遣から正社員→パート→時短
主に病院の入院会計担当。資格なしからの就職、転職などの経験を元にブログを書いています。

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